民泊ゼロ日規制とは?自治体の動きを追う
ゼロ日規制とは、自治体が条例により民泊(住宅宿泊事業)の年間営業日数を「ゼロ日」に設定し、事実上営業を全面禁止できる仕組みです。 観光庁が2026年6月16日、住宅地や学校周辺など居住環境の悪化が見込まれる区域を対象に、この規制手法を正式に容認すると発表しました。 2018年の民泊新法施行以来、国が全面禁止を公式に認めるのは初めてです。条例改正には自治体議会での審議が必要なため施行までは6〜12か月かかり、即日禁止にはなりません。
タイムライン
| 日付 | 出来事 | 根拠 |
|---|---|---|
| 2026-06-15 | 改正旅館業法が施行。最低客室数基準が撤廃され、1室からの旅館・ホテル営業許可取得が可能に(民泊の年間180日制限から抜け出す転換先ができた) | HotelBank |
| 2026-06-16 | 観光庁が、自治体が条例により民泊の年間営業日数を「ゼロ日」に設定し事実上全面禁止できることを容認する方針を発表。6月中に全国自治体へ通知(技術的助言)予定と表明 | 日本経済新聞 |
| 2026-06-30 | 観光庁が表明した「6月中の技術的助言発出」の期限日。発出後、自治体は条例改正の審議に着手でき、施行までは通常6〜12か月のリードタイムがかかる見通し | 日本経済新聞 |
| 2026-07-01 | 江戸川区の民泊条例施行により、東京23区全域に民泊上乗せ条例が出そろう。同日、千代田区・渋谷区の改正条例も施行 | 日本経済新聞 |
| 2026-10-01 | 台東区で、10月以降の新規届出事業者は管理者常駐型でも平日営業が一律禁止に(週末・祝日中心、年間約104日に制限) | 日本経済新聞 |
| 2026-12-16 | 豊島区で、住居系地域(区面積の約70%)の年間営業日数が180日から120日に短縮。既存の届出済み施設にも遡及適用が始まる | 豊島区公式 |
自治体動向
| 自治体 | 動き | 状態 | 根拠 |
|---|---|---|---|
| 観光庁(国) | 条例により民泊の年間営業日数をゼロ日に設定し事実上全面禁止できることを容認する方針を発表。住宅地・学校周辺での立地規制、騒音計・カメラ設置の義務化、夜間コールセンター設置を認める技術的助言を6月中に発出すると表明 | 方針段階 | 日本経済新聞 |
| 千代田区 | 家主不在型(管理者常駐型・駆け付け型)の民泊を、文教地区等・学校等周辺に加え人口密集区域でも終日実施不可に強化する改正条例が2026年7月1日に施行 | 施行済み | 千代田区公式 |
| 渋谷区 | 制限区域を住居専用地域から第一種・第二種住居地域・準住居地域へ拡大し、家主不在型の年間営業を約63日に制限。180日営業の特例要件から管理業者委託を除外し家主本人のみに限定する改正条例が2026年7月1日に施行 | 施行済み | 渋谷区公式 |
| 台東区 | 2026年10月1日以降の新規届出事業者は、管理者常駐型でも平日営業を一律禁止(週末・祝日のみ、年間約104日に制限)。7月1日からは旅館業許可の申請プロセスも厳格化 | 施行予定 | 台東区公式 |
| 豊島区 | 住居系地域(区面積の約70%)の年間営業日数を180日から120日に短縮し、既存の届出済み施設にも遡及適用。営業可能期間は春・夏・冬休みの計120日のみで、2026年12月16日に施行 | 施行予定 | 豊島区公式 |
| 江戸川区 | 住居専用・住居地域で家主不在型民泊の新設が事実上禁止に。届出済み施設も週末・祝日中心の営業(年間約104日)に制限され、東京23区で最後に条例が整備された自治体として2026年7月1日に施行 | 施行済み | 江戸川区公式 |
📝 本ページについて
本表は裏取りできた自治体から順次拡充しています(現在 6 件を収録)。 条例は改正が続いており、規制内容や施行日は自治体ごとに異なります。 実際の営業判断の前に、必ず各自治体の公式情報および所管窓口で最新内容をご確認ください。
オーナーの3つの選択肢
選択肢①:旅館業転換
2026年6月15日施行の改正旅館業法で、最低客室数基準が撤廃され1室からの旅館・ホテル営業許可取得が可能に。取得できれば民泊新法の年間180日制限から解放され365日通年営業ができる。建築士へ現況調査を依頼→適合確認→保健所へ事前相談、の順で進める(取得まで数か月〜1年)。
選択肢②:物件整理・転用
住宅地・第一種低層住居専用地域・学校周辺など、条例改正リスクが高い立地は売却・賃貸転換が現実的な選択肢になる。用途地域マップで自物件の立地区分を確認し、収益試算のうえ方針を早めに固める。
選択肢③:商業地等での継続
商業地域・準商業地域などの非制限地域に立地する施設は、今回のゼロ日規制による直接的な影響は限定的とされる。物件所在の用途地域を確認したうえで、当面は運営継続を選択肢に入れられる。
よくある質問
Q. ゼロ日規制とは?+
観光庁が2026年6月16日に容認した仕組みで、自治体が条例により民泊の年間営業日数を「ゼロ日」に設定し、事実上の全面禁止を可能にするものです。住宅地・学校周辺など居住環境の悪化が見込まれる区域が対象で、2018年の民泊新法施行以来、国が全面禁止を公式に容認するのは初めてです。
Q. いつから始まる?+
観光庁は2026年6月中に全国自治体へ「技術的助言」を発出すると表明しました。自治体は受領後、条例改正の審議・可決・公布を経て施行するため通常6〜12か月かかり、実際の施行は早くて2027年初頭〜春以降になる見通しです。
Q. 全ての民泊が対象?+
いいえ。対象となるのは住宅地・第一種低層住居専用地域・学校や保育施設周辺など「居住環境が損なわれるおそれがある」と自治体が判断した区域です。商業地域・準商業地域など非制限地域に立地する施設への直接的な影響は限定的とされています。
Q. 今できる準備は?+
①用途地域マップで物件が制限対象区域に該当するか確認する ②物件所在の市区町村の議会スケジュール・パブリックコメントを定期的にチェックする ③旅館業転換・物件整理・商業地等での継続の3シナリオで収益試算を行い、早めに方針を固めることが有効です。