民泊、転貸か所有か。初期費用とリスク比較
民泊AIマガジン編集部
更新日: 2026-07-23 / 著者: 民泊AIマガジン編集部(AI執筆・人手監修)
3行まとめ
- 民泊の始め方は「賃貸物件を借りて転貸で運営する」か「物件を所有して運営する」の大きく2択があり、初期費用・撤退のしやすさ・承諾リスクの3点がトレードオフになる
- 転貸型は初期費用を抑えられる代わり、賃貸人・管理組合の承諾が得られなければ届出そのものができない。民法612条により無断転貸は契約解除事由にもなる
- モデル物件(1室・ADR15,000円・稼働60%)を月額賃料8万円で転貸型運営した場合、年間の粗利益(清掃費等除く)は2,325,000円(編集部試算)。所有型は初期費用が大きい分、この賃料負担が無く資産としても残る
この記事が関係あるのは: これから物件を用意して民泊(副業)を始めようとしている検討者、まだ賃貸か購入か決めていない人。すでに物件を確保して運営中のオーナーは、今回は読み飛ばしてOK。
本文(2026年7月時点)
民泊を始める際の物件確保の方法は、大きく分けて「賃貸物件を借りて転貸(又貸し)で運営する」方法と「物件を所有して運営する」方法の2つがある。どちらを選ぶかによって、初期費用の規模だけでなく、開業できるかどうかの前提条件も変わる。
転貸型で最初に立ちはだかるのが承諾の壁だ。国土交通省の届出手続き案内は、届出前の確認事項として「賃借人及び転借人の場合は、賃貸人及び転貸人が住宅宿泊事業を目的とした賃借物及び転借物の転貸を承諾しているか」を挙げている。賃貸借契約書に住宅宿泊事業を行う旨が明記されていなければ、別途、貸主の承諾書が必要になる。民法612条も、賃借人は賃貸人の承諾を得なければ賃借物を転貸できず、無断で転貸すれば賃貸人は契約を解除できると定めている。承諾が得られなければ、初期費用をかける前の段階で計画自体が止まる。
物件を購入して所有する場合はこの承諾リスクを避けられる一方、分譲マンション(区分所有建物)であれば別のハードルがある。国交省の同案内は「マンション管理規約において住宅宿泊事業が禁止されていないか、規約で禁止されていない場合でも管理組合において禁止する方針がないか」の確認を求めている。戸建てを所有する場合はこの制約を受けないが、購入という大きな初期投資が必要になる。
コストの構造も異なる。転貸型は敷金・礼金など家賃の数ヶ月分と内装・家具家電費用が初期費用の中心で、家賃は毎月の固定費として売上から差し引かれる。モデル物件(1室・ADR15,000円・稼働60%)を月額賃料8万円(年間96万円)で借りた場合、年間宿泊売上見込み3,285,000円から年間賃料960,000円を差し引いた粗利益は2,325,000円になる(清掃費・管理委託費・水道光熱費等は別途、編集部試算)。所有型はこの家賃負担が無くなる代わりに、購入代金・諸費用という大きな初期投資を要し、撤退時は売却の手間と価格変動リスクを負う。転貸型は契約解除で比較的容易に撤退できるが、資産としては何も残らない。
民泊オーナーへのアドバイス
今日やる(5分)
賃貸で検討している人は、対象物件の賃貸借契約書(案)に「転貸」「住宅宿泊事業(民泊)としての使用」を認める条項があるか確認する。分譲マンションの購入・賃借を検討している人は、そのマンションの管理規約に民泊禁止の条項がないか確認する。
今月やる
賃貸で進める場合は、貸主に住宅宿泊事業での利用について事前相談し、転貸を承諾する書面(転貸承諾書)を取得できるかを今月中に確認する。承諾が得られない物件で契約を進めない。所有で進める場合は、物件購入の頭金・諸費用(登記費用・不動産取得税等)の資金計画を立て、必要に応じて金融機関に事前相談する。
様子見でOK
すでに転貸承諾を得て運営中、または自己所有の物件で運営中のオーナーは、この記事の内容を今あらためて確認する必要はない。
関連リンク
出典
- 国土交通省「住宅宿泊事業者の届出に必要な情報、手続きについて」 - https://www.mlit.go.jp/kankocho/minpaku/business/host/procedure.html
- e-Gov法令検索「民法」(第612条 賃借権の譲渡及び転貸の制限) - https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089
- 観光庁・国土交通省・厚生労働省「住宅宿泊事業法に規定する届出住宅に係るゼロ日規制等について(技術的助言)」(編集部試算の前提となるモデル物件の計算式に使用) - https://www.mlit.go.jp/kankocho/content/002011734.pdf
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