民泊物件の購入前チェック、届出は承継不可
民泊AIマガジン編集部
更新日: 2026-07-24 / 著者: 民泊AIマガジン編集部(AI執筆・人手監修)
3行まとめ
- 住宅宿泊事業(民泊届出)は事業譲渡による地位承継の規定がなく、物件を買っても届出は引き継げない。買主は改めて新規届出が必要
- 旅館業許可は2023年12月13日の法改正で、事業譲渡でも承認手続きにより地位承継が可能になった。ただし譲渡の効力発生前に承認取得が必須
- 購入前に「届出か許可か」を確認するだけで、引き渡し後の空白期間リスクの有無が分かる
この記事が関係あるのは: 複数物件の買い増しを検討している、または物件M&Aを進めているプロホスト。単一物件を運営中で物件購入を予定していないオーナーは、この記事は読み飛ばしてOK。
本文
民泊物件の売買が活発化する中、見落とされがちなのが「許認可は物件と一緒に引き継げるとは限らない」という点だ。住宅宿泊事業法には、事業譲渡(売買)による住宅宿泊事業者の地位承継を定めた規定がない。買主が事業を続けるには、同法第3条第1項に基づき改めて新規の届出を行う必要がある。同法第3条第6項は個人事業者が死亡した場合に相続人が30日以内に届け出る規定を置くが、これは相続限定であり、通常の売買には適用されない。
一方、旅館業許可は事情が異なる。2023年12月13日施行の法改正により、事業譲渡の場合も譲受人が新たな許可を取得することなく、承認手続きにより営業者の地位を承継できるようになった(旅館業法第3条の2関係)。ただし譲渡の効力が承認より前に発生すると新規許可が必要になるため、引き渡し前に自治体へ事前相談し承認を得ておく段取りが欠かせない。
つまり同じ「民泊物件」でも、住宅宿泊事業届出の物件は引き渡し後に営業できない空白期間が生じうる一方、旅館業許可の物件は事前準備次第で空白なく引き継げる可能性がある。仮に届出物件で2週間の空白期間が生じた場合、モデル物件(1室・ADR15,000円・稼働60%)の逸失利益は126,000円にのぼる(編集部試算)。
民泊オーナーへのアドバイス
今日やる(5分)
検討中の物件について、売主に届出番号または旅館業許可番号の証書コピーを提示してもらい、「届出」か「許可」かをまず確認する。
今月やる
旅館業許可物件なら、所在自治体の生活衛生課等に事前相談し、地位承継の承認申請に必要な書類(譲渡を証する書類・登記事項証明書・施設周辺150m以内の地図など)を洗い出し、引き渡し前に承認を得るスケジュールを組む。住宅宿泊事業届出物件なら、新規届出が受理されるまでの空白期間を見込んだ資金計画(その間のローン返済・固定費の持ち出し分)を立てる。あわせて売主から直近12か月分のOTA予約管理画面のスクリーンショットまたはCSVを取り寄せ、自己申告のPLだけでなく実際の稼働率・ADR・キャンセル率を裏取りする。
様子見でOK
まだ物件取得を具体的に検討していない、単一物件で運営中のオーナーは今回は動く必要はない。
関連リンク
出典
- 厚生労働省 法令等データベース「住宅宿泊事業法」第3条 - https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=68ab5981&dataType=0&pageNo=1
- 厚生労働省「旅館業法の一部を改正する法律について(事業譲渡に係る規定)」 - https://www.mhlw.go.jp/kaiseiryokangyohou/second_4.html
- 鹿児島市「旅館業の地位承継(事業譲渡)」 - https://www.city.kagoshima.lg.jp/kenkofukushi/hokenjo/seiei-shoku/kenko/ese/sekatsu/hotel/ryokantiishoukei.html
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